コーヒー豆の劣化を防ぐため、淹れる直前にミルで挽くことをおすすめしています。
とはいえ、豆のままでも劣化が進まないわけではありません。適切に保管をしないと、コーヒー豆が劣化し美味しさは損なわれてしまいます。そこで本記事では、
コーヒー豆の適切な保管方法は?
という疑問について考えていきたいと思います。
コーヒー豆の劣化の原因
まず結論です。
コーヒー豆の劣化の原因
酸素
コーヒー豆の劣化は、酸化反応の影響が大きいです。コーヒー豆中の成分が空気中の酸素と酸化反応を起こして変化します1)。
酸化反応
酸化反応(oxidation reaction)は、物質が酸素と反応する過程を指します。一般的に、酸化反応は電子の転移に関与し、酸素等の酸化剤が物質から電子を奪い、それによって酸化物が生成される反応です。日常生活の中では、鉄が錆びたり、りんごが切り口から変色したりするのも酸化反応です。
熱(温度)
熱も酸化反応を促進します。一般的に、熱は酸化反応だけでなく加水分解反応等の様々な反応を促進し、食品の品質低下に影響を及ぼします。
水分(湿度)
焙煎後のコーヒー豆は非常に水分含有量が少ないです。しかし水分を含んでしまうと、成分の劣化が進んでしまうだけでなく、カビの発生リスク等も生じてきます2)。
コーヒー豆の適切な保管方法
前の章で、コーヒー豆の品質維持のためには酸素と熱と水分に触れさせないことが重要と述べてきました。家庭においてその全てを満たす保管方法は、密閉容器に入れて冷凍庫に保管することです。
まずは密閉容器に入れて酸素との接触を防ぎましょう。キャニスターでもOKですが、容器内の酸素とも反応するため、ジップロック等の内部の空気を抜きやすい容器がおすすめです。
密閉容器に入れたら、冷凍庫に保管しましょう。家庭の中で最も温度の低いところですよね。ちなみに、豆腐やこんにゃく等冷凍NGの食材もありますが、コーヒー豆については、今のところ冷凍が品質低下に繋がるという報告はありません。コーヒー豆の中での成分変化の反応を抑えるために、なるべく低温で保管することを心がけましょう。
そして、注意すべきなのは、冷凍庫から出したときに付着する水滴です。冷凍庫から出した後に袋を開けっ放しにしてしまうと、袋の内側やコーヒー豆にも水滴が付いてしまいます。冷凍庫に保管していたコーヒー豆を取り扱う際は、袋を開けたらすぐに閉める、または常温に戻るまで置いておくことを心がけましょう。
保管方法まとめ
いかがでしたか??
コーヒー豆を劣化させる要因を理解した上で適切に保管し、長い間美味しくコーヒーを楽しめるようにしましょう。
本記事で引用した文献
1)Impact of roasting conditions on the volatile flavor of coffee brews. Bhumiratana, N., Adhikari, K., Chambers IV, E., & Carey, E. E. Journal of Food Science, 2010, 75(6), C570-C579.
2)Phenolic compounds in coffee. Farah, A., & Donangelo, C. M. 2006, Brazilian Journal of Plant Physiology, 18(1), 23-36.